「読み聞かせが得意じゃない」とか「子どもが聞いてくれない」とか、絵本に関してのお悩みをママたちからよく聞きます。
そんな時は、ちょっとだけ声の出し方や速度に気を使ってみるだけで、絵本の印象ががらっと変わって、子どももどんどん前のめりで聞いてきます。
例えば、古典的な表現が長く愛される「三びきのやぎのがらがらどん」(マーシャ・ブラウン絵 瀬田貞二訳・福音館書店)。怖くて、ちょっぴりまぬけなトロルは、小さな子どもにとって不気味なイラストですが、怖がらせようとわざと大きな声で読むのではなく、ゆっくりと会話を読んであげるとトロルのお人好しの性格が表れてきます。
トロルをやっつける大きなヤギの会話は、逆にスピードを上げて強さを強調すると、勇敢さが際立ってきます。
登場人物によって声のトーンを変えたり、強弱や速度をつけたり。読み方のほんのひと工夫で絵本の世界は、もっと楽しくなるはずです。